いまさら聞けないマーケティング用語集「コモディティ」

コモディティとは?

コモディティとは、ごくありふれた日用品のようにメーカーごとの品質や特徴が同じようなものになってしまいどこの商品を買っても大差がない状態のことを指します。たとえば液晶テレビは、かつて日本のメーカーが機能や画質などを競っていた商品ですが、やがてどのメーカーの商品も似たようなレベルになってしまいました。中国や韓国のメーカーが品質で追随し大手家電量販店の店頭に並ぶようになりました。映像のプロや画質によほどこだわりがある人でなければどのメーカーの液晶テレビを買っても大差がないものです。つまり多少の違いはあっても多くの人にとってはその違いの判別が難しい場合はコモディティと言えるでしょう。コモディティということはたくさんの企業が似たような商品を同じような品質で作れるということです。お客様が買う商品を決めるポイントは色々ありますが、一番手っ取り早く競合他社と差別化する方法は価格を下げることです。そのためコモディティが進むと価格競争に陥りどんどん値段が下がってしまいます。

コモディティ化の要因

・供給過多
多くの企業が市場に参入すると供給が需要を大幅に超えてしまい供給過多になります。こうなってしまうと自社の商品を少しでも多く売ろうとして競合他社よりも値段を下げてしまいます。商品の改善や機能アップなどを行わず安易な価格競争に陥ってしまうとコモディティ化が進んでしまいます。

・新興国から低価格商品が流入
新興国は人件費が安く先進国のメーカーに比べて安い値段で同じ商品を作ることができます。このような商品が国内に流入してくるようになると、そもそも低価格な新興国製の商品に対抗するには国内の商品も値段を合わせざるを得なくなります。その結果低価格化が進みコモディティ化してしまいます。

・規格や仕様が決まっている商品
コンピューターや通信機器は操作や処理が同じように行えたり相互に通信が出来る必要があるため、その機能や品質にほとんど差がありません。基本的にはどのメーカーの商品を選んでも大差がなく同じことができます。DVDやメモリーカードなどの記録媒体も同じで、DVDプレーヤーなどはどの機器を選んでも同じように再生できます。

・モジュール化
商品を構成する要素がモジュール化されている場合、その商品のメーカーにとっては開発にかかるコストが下げられるというメリットがある反面、どの企業もそのモジュールを使って商品を作るためできあがった商品は似たようなものになってしまいます。パソコンはその一例です。CPUやメモリ、ハードディスク、OSなどがモジュール化され、どのメーカーも同じ部品を使います。パソコンは筐体のデザイン以外にはほとんど差がありません。

コモディティ化が進むとどうなるの?

コモディティ化が進むと商品の供給量が増えて値段が下がっていきます。全体の流通量が増えるためどこでも入手しやすくなります。つまりありふれた商品なのでどこでも売っていてとても安く手に入るので、消費者にとってはとても好ましい状況です。
企業の側から考えるとコモディティ化はあまり好ましい状況ではありません。企業は常に新しい商品を開発し続けることが求められます。多大な時間とコストをかけて研究開発を行い、マーケットに新しい商品を投入します。しかしせっかく開発した商品がコモディティ化してしまうと価格競争から回収できる利益が減ってしまいます。そのため企業にとってはコモディティ化は好ましくない状況です。

マーケットに登場したばかりの新商品は最初は画期的であってもしばらくすると競合他社が追随し似たような商品を発売し、次第にありふれた商品になっていきます。エリアに唯一のお店をオープンしても近隣に似たような競合店がオープンするようになり限られた顧客の奪い合いになり次第に価格競争に陥ります。つまりどのような商品であっても結局はありふれたものになりコモディティ化が避けられません。

コモディティにどう対処する?

ここで商品を販売する企業には2つの選択肢があります。1つめの選択肢はコモディティ化を避けるため次々と新しい商品を開発しマーケットに投入し続けること。もう1つの選択肢はコモディティ化してしまうことを最初から受け入れてその上でビジネスを工夫するということです。

最初の選択肢、新しい商品を開発し続けるのはなかなか難しいことです。そもそも開発する時間・カネ・人のリソースがなければ開発できないでしょうし、開発できたとしてもマーケットに受け入れられるかどうかは分りません。マーケットに受け入れられたとしても売れれば売れるほどコモディティ化が進んでしまいます。ですので次々に商品を開発してマーケットに投入し続けなければいけません。かなりリスクの高い選択肢と言えるでしょう。

そうなるともう1つの選択肢、コモディティ化に逆らわず売り方を工夫することでなんとか乗り切れないか考える必要があるということです。マーケットに投入した既存の商品の売り方や見せ方を工夫することでコモディティ化に対抗します。たとえばパソコンではモジュール化によってコモディティ化が進んでいるので、スペックでの差別化はほぼ不可能です。そこでパソコンによってどんなことが実現できるのか、パソコンが日々のライフスタイルにどんな影響があるか、どんな体験ができるのかなどをアピールします。商品の品質での差別化ができない商品をスペックで訴求してもお客様には響きません。商品そのものを訴求するのではなく、顧客価値にフォーカスすることでコモディティ化してしまった商品に新しい価値をもたらすことができるのです。