「お客様の立場に立つ」ってムズカシイ

「お客様の立場に立つ」「お客様目線」「顧客ニーズをという言葉はビジネスでよく目にします。書籍にもよく登場しますし、皆さんの周りもしくは皆さん自身も口にされているのではないでしょうか。でも、具体的にどのようなことを指している言葉かきちんと説明するのはなかなか難しいことです。今回は「お客様の立場に立つ」ということを掘り下げて考えてみましょう。

そもそも「お客様の立場に立つ」とは?

この「お客様の立場に立つ」という言葉そのものを考えてみましょう。「もし自分がお客様の側だったら」とか「お客様が何を求めているか」ということを考えるということでしょう。この言葉自体はそんなに難しい内容ではないですよね。でも自分は売る側の立場、お客様は買う側の立場。まったく逆の立場なので普通に考えたらお客様の立場に立つのは難しいことでしょう。言うのは簡単なんですけどね。

どうやったらお客様の立場に立てるの?

■「お客様の時間軸」
お客様の立場に立つというのは言うほど簡単なことではありません。ではどうやったらお客様の立場に立つことができるようになるのでしょうか。まず意識しなければいけないのでは、モノを売る側と買う側では時間軸がまったく違うということです。つまり、時間軸でいうと売る側は売る時点のことだけを意識しがちです。どうやったら受注できるか、どうやったら競合他社を排除できるかなどです。これとは反対の立場である買う側の時間軸はまったく違います。まず困りごとや解決すべき課題などがあり、これらの解決策を検討します。解決策の目星がついたら見積をとり、どこからいくらで買うのか決定し発注します。納品が終わり社内での設置や設定が完了したらいよいよ運用開始です。購入したソリューションによって困りごとや課題を解決していきます。

時間軸で考えてみると、お客様の方が圧倒的に長い時間軸で考えています。この時間軸は大きく3つあります。①課題の分析や解決策の検討、②具体的な解決策や価格、購入先の検討、③発注、導入、運用、課題解決、の3つのグループがあります。このうち営業はどうしても②に着目してしまいます。営業はどうしても売上目標の達成がミッションになっているので売上に直結する受注は気になるところでしょう。でもお客様が着目しているのはそこではありません。むしろ3つの時間軸のグループの中であえて重要度で並べるなら②は一番低いのではないでしょうか。抱えている課題とその解決がお客様にとって最重要なのは言うまでもないことです。まずはこの時間軸の違いを意識してお客様と接触しましょう。

■すべての起点はお客様
先ほど売る側と買う側の持つ時間軸の違いを説明しましたが、考え方の起点の違いも意識する必要があります。当然のことではありますが売る側はどうしても売る側の都合を真っ先に考えてしまいます。この商品はそもそも売れるのか、いくらで売れるのか、どのぐらい売れそうか、競合他社の商品はどうかなどです。もし自社の商品が売れているとしたら、この商品は売れているのだからきっとお客様に認められているのだろうと考えがちです。これらすべては売る側の都合で物事を考えています。こうした発想ではなく買う側の都合、つまりお客様のニーズを起点にしなければなりません。お客様が求めているかどうか、お客様が喜ぶかどうか、お客様の役に立つかどうか。これに合うことを追求する、それがお客様の立場に立つということです。

まとめ

「お客様の立場に立つ」と似た言葉に「お客様のために」というものがあります。きちんと意識しないと違いが分かりづらい言葉ですがまったく意味が違います。お客様のためにというのは、実はお客様の立場に立っていません。売る側のわたし達が「お客様のために」サービスを提供します、という意味です。つまり、売る側の論理でビジネスを考えているのです。売る側の論理とはお客様はこうだろうと決めつけて自分のできる範囲内でサービスを提供するということです。お客様の立場に立つときに、売る側の論理は一切不要です。思い込みや決めつけ、先入観や過去の成功体験などは横に置いておいて、お客様のことを考えなければなりません。「お客様の立場に立つ」という一見とても簡単な言葉ですが、実は実際にそうするのはとても難しいことなのです。真剣にお客様に向き合わなければお客様の立場に立つことはできません。

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