新しい営業の世界「インサイドセールス」とは

「インサイドセールス」という新しい営業手法について最近よく耳にするようになりました。もともとはかなり以前からアメリカで広まっていましたが、働き方改革や人手不足などから営業手法の見直しが進みようやくこの日本でも広まりつつあります。

インサイドセールスとは?

インサイドセールスとは電話・メール・チャット・Web会議などのツールを使ってお客様先に訪問せずに営業活動を行うことです。お客様へのテレアポで潜在顧客にアプローチすること、見込みのありそうなお客様へのフォロー、受注や契約に直結するアプローチなど、様々なフェーズの商談を社内で行います。受注に至るまで全てインサイドセールスが行う組織もあれば、ある程度商談が進んだらお客様先に訪問するフィールドセールスと分業している組織もあります。インサイドセールス自体も商談のフェーズによって複数に分割している組織もあります。インサイドセールス組織の形態としては大きく3パターンあります。

インサイドセールスオンリータイプ

潜在顧客へのアプローチから見込み客へのフォロー、商談クロージングなど全てのフェーズを担当します。社内に訪問を担当するフィールドセールスがいません。

インサイドセールス・フィールドセールス協働タイプ

ある程度商談を進めるところまではインサイドセールスが対応します。お客様先でのデモやプレゼンなどの必要が発生するとフィールドセールスと連携して対応します。その後のお客様からの問い合わせなどは基本的にインサイドセールスが対応し、再度訪問の必要があれば適宜フィールドセールスが対応します。どちらかに任せるのではなく、それぞれの役割に応じた動きで協働しひとつの商談をクロージングします。

インサイドセールス・フィールドセールス分業タイプ

訪問の必要が発生するまではインサイドセールスが担当するところまでは協働タイプと同じですが、その後フィールドセールスに引き継いでインサイドセールスの仕事は完了します。訪問からクロージングまでは全てフィールドセールスの仕事です。商談をある程度まで担当して確度を高めるまでがインサイドセールスの役割です。

国土の広いアメリカでは移動に飛行機を使うことも多いためそう簡単にお客様先に訪問できません。そこで出来るだけ訪問をせず電話やメールなどで商談をクローズさせるという手法が取り入れられました。日本では自社とお客様の距離がそこまで遠方でないケースが多く、訪問すること自体にあまり制約はありません。訪問もせずに契約を結ぼうとすることに抵抗があるお客様も存在します。

いまインサイドセールスが注目されているワケ

人手不足

企業はいま人材の確保がとても困難な状況にあります。働く人が足りない現状では一人あたりの売上を拡大しなければなりません。そのため見込みのないお客様への訪問を出来るだけ控えてその分のリソースを見込み客に最大限に振り分けて効率良く営業活動を行う必要があります。

モノ売りからサービスへの転換

IT関連の商品は従来の売り切り型からサブスクリプション型のサービスに転換が進んでいます。つまり導入費用が高額な売り切り型ではなく、月々定額で価格も安いサービスに変わってきているのです。売り切り型はいかにしてお客様に商品を購入してもらうかに注力しますが、サブスクリプション型の商品は基本的に単価が低いので単純に購入してもらうだけでなくその後も使い続けてもらう必要があります。そのためインサイドセールスが継続的に利用してもらっているお客様をフォローし続けます。

お客様の購入プロセスの変化

商売は情報格差によって利益を生み出します。つまりお客様が情報を持ち合わせていない場合は多くの利益が取れるでしょう。しかし今ではお客様が購入前にインターネットなどで商品情報や価格を簡単に調べることができ、とてもたくさんの情報を持っています。お客様の60%は営業に問い合わせをする前にすでに購入先や購入する商品を決めているという調査もあるほどです。表面的な情報ではなくインターネットでは分からない生の情報やそれぞれの困りごとにマッチする提案をお客様は求めているのです。そのためスピード感と適切なタイミングでの情報提供が重要になります。従来のひとりの営業がお客様の担当をするのではなく、インサイドセールスだけでなく、フィールドセールスと分業することでお客様への対応レベルを引き上げる企業も増えています。

インサイドセールスを導入するメリット

見込み商談の数が大幅に増やせる

お客様とのリレーション重視でとにかく闇雲に訪問を重視するスタイルからインサイドセールスに転換する一番分りやすいメリットは営業の効率が上がるために営業が対応できる商談の数が増やせることです。フィールドセールスが1日に訪問できるお客様の数は多くても5社程度でしょう。移動時間など営業活動外の無駄な時間が多くなってしまいとても非効率です。移動時間が全くないインサイドセールスならば1日にこなせる商談数が訪問の2~3倍にもできます。

営業をかける先に場所の制約がない

訪問をしないでお客様と商談をするので場所の制約はありません。自分の会社がどこにあろうとお客様がどこにいようと関係ありません。フィールドセールスでは移動距離がネックになり自分の会社からある程度の距離までしか営業活動ができない、もしくは営業活動の範囲を広げるには拠点を増やすなどということもあるでしょう。インサイドセールスにはこれらの心配はまったくありません。

商談がスピーディーに進む

商談のたびにいちいちお客様先に訪問していては、スケジュール調整や移動時間などから商談の進捗が思わしくないというケースがあります。スケジュールの都合がつかず次の商談が2週間も3週間も先延ばしになってしまうことも。インサイドセールスであればWeb会議システムを活用したオンライン商談などを使えばその場ですぐに商談を行うこともできます。商談の時間短縮は営業側のメリットだけでなくお客様にもメリットになります。

営業の教育機関になる

インサイドセールスは基本的に会社の中にいてお客様とのやりとりをしているので、営業マネージャーは目の前で営業の活動内容やスキルをチェックできます。そしてその場ですぐにアドバイスもでき、周囲の営業メンバーとの情報共有もスムーズです。フィールドセールスとの分業を行う組織であれば、新人営業をインサイドセールスに配属しある程度経験を積んだらより対面営業のスキルが必要なフィールドセールスに移行するというキャリアパスを設定することで人材育成の場とすることもできます。

まとめ

インサイドセールスは、単なるテレアポ営業や受注センターのオペレーターとは異なります。リードが足りない・案件が足りない・アポイントが取れないといった課題の解決を目的として、案件がホットな状態になるまでインサイドセールスがアプローチすることで従来の訪問型の営業に比べて圧倒的に営業効率が良く受注確度も高くなります。これからは営業プロセスを分解してそれぞれのプロセスに応じた適切な営業方法を取り入れるべきでしょう。