ニーズ・ウォンツ・シーズの違い

それって本当にニーズ?

お客様がドリルが欲しいとお店にやってきました。店員がお客様がどんなドリルを欲しいのかヒアリングをし、お客様のニーズを満たそうととても性能の良いドリルを熱心にすすめました。この店員は果たして本当にお客様のニーズを満たせたのでしょうか。

マーケティング用語にニーズとウォンツということばがあります。このふたつのことばは意味が全く違うのですが混同している人がたくさんいます。先ほどの例え話では店員はお客様のニーズを満たそうと商品の説明を熱心にしていました。これって本当にニーズでしょうか?

結論からいうとこれはニーズではありません。ニーズとはお客様が求める本質的な欲求のこと。例えば「ジュースが欲しい」という要望の本質は「のどが渇いた」というニーズです。

ニーズ・ウォンツ・シーズ、それぞれどう違うの?

ニーズ・ウォンツに加えてシーズという3つのことばについて整理してみましょう。

ニーズ

顧客が求める必要性のこと。満たされない状態のこと。ドリルを買いに来た顧客のニーズは「穴を開けたい」、水を買いに来た顧客のニーズは「のどが渇いた」、お弁当を買いに来た顧客のニーズは「お腹がすいた」ということになります。

ウォンツ

ニーズを満たすもの。顧客の満たされない状態を満たす具体的な商品やサービスのことをいいます。穴を開けたい顧客のドリル、のどが渇いた顧客の水、お腹がすいた顧客の弁当のことです。

シーズ

ビジネス用語としてのシーズとは自社の資源ということです。顧客のニーズに対して企業が提供する新しい技術や材料、ノウハウのこと。ドリルの強靱な刃をつくる技術、ミネラル成分を調整しておいしい水をつくる技術、できたてのお弁当をできるだけ安く提供できるノウハウのことです。

ニーズとウォンツの違いに気をつけよう

顧客のニーズに応えると言いながらもウォンツと混同しているケースがよく見られます。ウォンツは顕在化したニーズに基づいて顧客が求める商品なのでとても分かりやすいのでどうしても目がいきがちです。でもウォンツだけを見ていては顧客が本質的に求めていることが分かりません。顧客が求める商品がその顧客のニーズに合致しているとも限りません。本質的なニーズを理解することで全く異なるより良い商品を提案することができるかもしれません。

そして自社の技術や資源であるシーズを顧客のニーズに合わせて進化させることでより顧客のニーズに合う商品の提供が可能になります。

まずはニーズ・ウォンツ・シーズの違いをきちんと理解しましょう。顧客のニーズは何なのか、そのニーズを満たすための商品(ウォンツ)は何なのか、顧客ニーズに合わせて自社のシーズはどう進化させるのか、ニーズ・ウォンツ・シーズを正しく把握することで、自分たちがとるべき戦略が見えてくるのです。