PDCAはもう古い?OODAループとPDCAの違いとは?

ビジネス現場で活用されるPDCA

PDCAはご存じの方も多いことでしょう。生産技術における品質管理などの継続的改善手法で、Plan(計画) → Do(実行) → Check(評価) → Act(改善) の4段階を繰り返すことで業務を継続的に改善するものです。

1.Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する。
2.Do(実行):計画に沿って業務を行う。
3.Check(評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを評価する。
4.Action(改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて改善をする。

もともとは工場での品質管理に使う手法でしたがビジネス全般に活用されるようになりました。

広がりつつある「OODAループ」

最近日本で「OODAループ」という理論が広まってきています。アメリカ空軍ジョン・ボイド大佐が提唱した理論で、戦闘機のパイロットが敵機と遭遇した際に性能が劣っている機体であっても対処行動の決定スピードが勝っていれば勝つということを自身の経験から結論づけました。ここから「OODAループ」として理論化されたのです。元々は軍事行動における指揮官の意志決定を対象としていましたが、次第にビジネスにも応用されるようになりました。OODAループは、観察(Observe)- 情勢への適応(Orient)- 意思決定(Decide)- 行動(Act)- ループ(Feedforward / Feedback Loop)によって、適切な意思決定を実現するというものであり、これらの頭文字をとってOODAループと名付けられました。OODAループの理論はアメリカ軍のみならずNATO(北大西洋条約機構)加盟国や中国、ロシアなど世界中の軍組織で採用されました。さらにアメリカのシリコンバレーをはじめとする欧米のビジネス界でも基本戦略として採用されるケースが増えています。

OODAループの5つの段階

1.Observe (観察)
意志決定のベースとなるもので、マーケットの状況や顧客についてのデータを集め良く観察します。

2.Orient (情勢への適応)
観察した結果にもとづいて状況を判断し方向性を決めます。そのためには前工程で徹底的に観察することが不可欠です。

3.Decide (意志決定)
決められた方向性を受けて具体的な方針やアクションプランを策定します。

4.Act (行動)
アクションプランを実行します。

5.Feedforward/Feedback (ループ)
観察からアクションまでのプロセスは実行で終了ですが、ビジネスにおいてはアクションして終わりということはなくアクションの結果を受けて再び観察段階に戻り、このループを継続させることでビジネスを良い方向に継続させていきます。

PDCAとOODAループの違い

ビジネスの現場では以前からPDCAが改善や目標達成のための理論として活用されてきました。PDCAではまずアクションプランを計画して実行する、実行結果を検証して改善し次ぎの計画につなげるという流れでした。つまりPDCAは計画から始まるのです。現代のビジネスにおいてはマーケットの状況や顧客のニーズが激しく変化しています。時間をかけて計画を立ててもすぐに状況が変わって計画の練り直しが必要になり変化についていけなくなってしまいます。つまりPDCAのサイクルを回すには現代のビジネスシーンではスピードが合わないということです。そこで最初に計画を立てるのではなくマーケットや顧客の状況を観察し、それに合わせて柔軟に対応を変えすぐにアクションにつなげるというスピード感を持つOODAループがビジネスの現場に受け入れられている要因です。

変化の激しい時代が求めるOODAループ

勘や経験に頼るような現場には合理的に物事を進めるPDCAがビジネスの効率化に大きく貢献しました。最初に十分な情報収集をもとに検討を重ね合理的な計画を立てます。計画がきちんと設計されていればあとは実行するだけ。しかしマーケットの状況や顧客のニーズが激しく変化する時代で、計画を立てる時間的な余裕がどんどんなくなっています。そこできちんと練られていないままずさんな計画を立て無理な目標でスタートしてしまいアクションプランが破綻し現場のモチベーションが低下するといったことにつながってしまうでしょう。

これに対しOODAループは状況に合わせて柔軟に対応し臨機応変に方針やアクションを変えるスピード感が特徴です。入念な計画のPDCAと状況変化に強いOODAループというそれぞれの特徴があります。OODAループを活かすには、集めた情報を的確に判断できる人材と企業としての姿勢やビジョンといった方向性が重要になります。スピーディに判断するには情報分析能力と判断のベースとなる会社のビジョン・ミッションが大事だということです。そのようなことからOODAループは単に現場の意志決定プロセスのメソッドにとどまらず会社の企業風土・組織体制・人材育成・業務スキームなどあらゆる事柄が相互複雑に関連しその包括的な変革を必要とするものです。

PDCAも企業の業種や現場の業務内容によっては今でも十分に通用する優れた品質管理のメソッドです。きちんと計画を立てて十分に検討されたKPIをもとにPDCAを回せるのであれば改善が進み良い成果につながることでしょう。PDCAであれOODAループであれ、それぞれのメソッドの特徴をよく理解し自分の現場にどちらが適しているか良く考えて導入することが大事なことです。