戦略・戦術・作戦・兵站、それぞれ説明できますか?

「戦略・戦術・作戦・兵站」をまず図解してみる

ビジネスの現場では「戦略」や「戦術」という言葉が良く使われますよね。でもこの意味を正しく説明できますか?何となく意味を捉えて使っているかもしれません。○○戦略と言っているのに中身は戦術レベルだったり。

加えて「作戦」や「兵站」という言葉はどうでしょうか。戦略や戦術と同じくもとは軍事用語ですが、作戦や兵站はあまりビジネスの現場では聞きません。あまりなじみのない言葉なので説明も難しいのではないでしょうか。いったん図解してみましょう。

ピラミッド型で表現してみました。上にあるものほど広い視野が必要です。

戦略

まず一番上位に来るのが「戦略」。会社などの組織が目的・目標を達成するためにどんなことを行うのか、その道筋を示したものです。映画で言えばシナリオにあたり、組織運営の基本になる部分です。

ビジョンや理念に近いものですが、これらはもっと抽象的です。例えば「○○○のジャンルで日本一の会社になる」といったものがビジョンです。これをもう1段階具体化させるのが戦略です。自分たちの強みや優位性を活かしてどうやって日本一になるか、ビジョンを実現させるためのシナリオが戦略です。

作戦

次に「作戦」。戦略を実現するためのプロジェクトが作戦です。プロジェクトはひとつではありません。複数の作戦が集まって戦略を実現します。戦略を実現させるために「何を、なぜ、いつ、どこで実行すべきか」が作戦です。

戦術

その次に「戦術」。それぞれの作戦を実行するための方法論が戦術です。自分たちが持っているリソースをどうやって武器として活用するかが戦術です。

兵站

そして「兵站」。これを理解している人は少ないのではないでしょうか。ことば自体を知らないという人もいるかもしれません。兵站とは戦略全体を支えるリソースです。ヒト・モノ・カネといった経営資源とその資源をどのように現場に供給するか、それを考えるのが兵站です。

実は兵站が重要

防衛省防衛研究所戦史研究センター長の石津知之氏は「戦争のプロは兵站を語り、素人は戦略を語る」と言っています。戦争では武器・弾薬や水・食料など戦線を維持するために必要な物資を最前線の兵士に届ける必要があります。これを担うのが兵站です。どんなに強い軍隊でも兵站が崩壊してしまうと戦うことができなくなってしまうのです。

過去の戦争を最終的に決めるのは、戦略ではなく補給の限界であるということです。物資の量とそれを最前線に届けられる範囲でしか戦争は続けられません。だからこそ戦争のプロは兵站を重視するのです。

ビジネスのほとんどは兵站次第

兵站が重要なのはビジネスでも同じです。自社の持っているヒト・モノ・カネといったリソースの範囲でしかビジネスは遂行できません。どんなに優れた戦略や作戦を考えたとしても兵站が整わなければ絵に描いた餅でしかありません。つまりビジネスのほとんどは兵站次第なのです。

製品の開発や生産、部品調達や人材育成、広告など、ビジネスにはさまざまなプロセスがあります。最終的にお客様に購入してもらう営業は戦争でいえば最前線の兵士ですが、ビジネス全体ではプロセスのほんのごく一部です。

戦略・作戦・戦術・兵站の考え方は、会社全体だけでなく部門やチームなど小さい単位の組織でも必要なことです。マネジャーの立場にいる方にはぜひチームの戦略を考える際に兵站を意識してみてください。