進まないテレワーク、進まない働き方改革

東京2020大会時の混雑、解決策はテレワーク

会社ではない場所で仕事をすることをテレワークといいます。 そのテレワークがいま働き方改革の文脈で注目されています。そして東京では2020年の東京オリンピック大会時の観客の移動による鉄道などの混雑が通勤時間帯を直撃することが予想され、テレワークを活用して交通の混雑に巻き込まれず仕事を進めることが推奨されています。そこで改めてテレワークについて考えてみます。

そもそもテレワークとは?

テレワークとは何のことでしょうか。この記事を読んでいる方にはいまさら言うまでもないことかもしれませんが、一般社団法人日本テレワーク協会によると以下のように定義されています。

テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
※「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語

一般社団法人日本テレワーク協会「テレワークとは?」

「場所や時間にとらわれない」働き方というのが重要なポイントですね。従業員が自宅で仕事をする「在宅勤務」や営業が顧客訪問時の移動中などに業務を行う「モバイルワーク」、会社とは異なる場所にレンタルオフィスなどを借りて業務を行う「サテライトオフィス勤務」などがあります。

会社とは異なる場所で働くという意味では場所にとらわれない働き方ですが、介護や育児中の従業員がその合間に働くなど時間にもとらわれないというのも特徴です。

多くの効果が見込めるテレワーク

テレワークには多くの効果が見込め、企業が抱える様々な課題を解決する手段として期待されています。

  • 事業継続性の確保(BCP)
  • 環境負荷の軽減
  • 生産性の向上
  • ワーク・ライフ・バランスの実現
  • 優秀な社員の確保
  • オフィスコスト削減
  • 雇用創出と労働力創造

テレワーク・デイズとは?

2017年にスタートした「テレワーク・デイ」ですが、ご存じでしょうか。総務省・厚生労働省・経済産業省・国土交通省・内閣官房・内閣府が東京都や関係団体と連携して、2020年東京オリンピックの開会式にあたる7月24日を「テレワーク・デイ」と位置づけて実施している働き方改革の国民運動です。

https://teleworkdays.jp/

今年2019年は、大会前年ということもあり大会の本番テストとして、2019年7月22日~2019年9月6日の約1ヶ月間を「テレワーク・デイズ2019」実施期間としてテレワークの一斉実施をよびかけています。今年はこれまでで一番多い2185団体が実施団体として登録しています。(2019年9月3日現在)テレワーク・デイ開始から年々実施団体が増え、メディアでも取り上げられることが多くなっており、世間の注目度が高い取り組みです。

でも本当にみんなテレワークしてるの?

総合転職エージェントの株式会社ワークポートが全国の転職者に対しテレワークについての意識調査を行ないました。

この調査によると、約70%が会社でテレワークを導入していないと回答しました。また、2019年3月に国土交通省が発表した「平成30年度テレワーク人口実態調査」では勤務先にテレワークが導入されていると回答した割合が19.8%と報告しており、テレワーク・デイズ前後で特に状況が変化していないと報告しています。

行政がテレワーク・デイズなどの取り組みを進め各種メディアでも取り上げられるなか、実際にはテレワークの導入がなかなか進んでいない現状が見えてきます。

「ワークポート調べhttps://www.workport.co.jp/

同じ調査対象者にテレワークをしたいと思うか聞いたところ、「思う」「どちらかといえば思う」と回答した人が73.6%に上りました。

「ワークポート調べhttps://www.workport.co.jp/

テレワークをしてみたいと思う理由は、「通勤時間をカットして時間を有効活用したい」「働き方の自由度が上がる」「子育てや家族のサポートができる」などの声が上がっています。

テレワーク、つまり働き方改革を進めないと淘汰されてしまう

会社では進まないテレワーク、でも働く人の多くはテレワークに期待を寄せています。2020年の東京オリンピック大会期間中の交通混雑対策という観点からニュースで取り上げられることもありますが、テレワークの本質は交通混雑対策ではありません。

従来の働き方では育児や介護を理由に会社を辞めざるを得なかった人に多様な働き方を選べるようにして働き手を増やし人手不足解消を進めたり、テレワークだけでなく総合的に働き方改革を進めることでムダな業務を削減し時間効率をアップさせることで企業の生産性を高めることがテレワーク・働き方改革の本質です。

いまどきは徐々にホワイト企業が当たり前になってきています。労働法令遵守で残業が減り有給休暇も取りやすくなっています。私が勤めている会社でもひと昔前に比べると残業は格段に減りました。有給休暇を取ろうにも過去には上司から嫌みを言われることもありましたが、いまの上司は有給休暇を取る理由すら聞いてきません。

しかしよく考えてみるとホワイト企業って法律守ってますっていうだけです。法律は守るのが当たり前のことなので、ブラック企業がひどいというだけでホワイト企業がすごい訳ではないんです。違法状態の完全にブラックな会社は人手不足や国・行政の取り組みによってだんだん淘汰されていくので、ホワイト企業の存在が普通のことになっていきます。

つまり「うちは残業少ないですよ」「うちは有給休暇が取りやすいですよ」というだけの単純なホワイト企業は、その点だけでは働く人が魅力には感じないのです。ブラック企業が淘汰されるのは当然として、今後はこのような単純ホワイト企業も淘汰されてしまうかもしれません。働く人が魅力に感じない会社では働き手が集まらず、そのような会社の仕事には魅力がないので働く人が高いモチベーションを持つことはできません。生産性は上がらず人手不足も解消せず、お客様に価値の提供もままならず、その結果淘汰されてしまうのです。