トップダウンとボトムアップ、組織運営にはどっちがいいの?

そもそもトップダウンとボトムアップの特徴とは?

「トップダウン」や「ボトムアップ」とは、会社などの組織で行われる意思決定のスタイルのことです。

トップダウン

組織の意思決定をトップが行ない、その意思決定に基づいて従業員など現場のメンバーがアクションすること。経営層が決定したことをそのまま下に伝えていきますので決定からアクションまでのスピードが早いというメリットがあります。

ボトムアップ

現場のメンバーが問題点や改善点などを上に提案することでトップが意思決定することです。現場でしか分からない意見やアイデアをトップが吸い上げることができるというメリットがあります。

会社って、トップダウンとボトムアップどっちが良いの?

トップダウンにしてもボトムアップにしても、どちらにもメリットがあります。組織を運営するにあたって、トップダウン・ボトムアップどちらが良いのでしょうか。ここでメリット・デメリットを整理してみましょう。

トップダウンのメリット・デメリット

  • メリット① 意思決定が早い
  • メリット② 組織の一体感が出せる
  • メリット③ トップが決めるので決定内容にインパクトがある

トップダウンでは現場の意見を聞かずにトップが時には独断で意思決定しますのでとてもスピーディです。意思決定に関わるひとが少ないので決められたアクションに一貫性があり、組織に一体感が出しやすいのも特徴です。トップの想いが意思決定に反映されるので新規事業や方向転換などとても大きな変化や尖った内容になりインパクトがあります。

  • デメリット① 現場のメンバーが受け身になる
  • デメリット② 現場の声が意思決定に反映されにくい
  • デメリット③ トップと現場の信頼関係がないと機能しない

組織の重要なことはトップがどんどん決めていくので現場のメンバーは決定事項を遂行するだけになりがちです。そうなると現場のメンバーが受け身になってしまう場合があります。トップが独断で決めるので現場の声はあまり反映されません。トップと現場の信頼関係がないと、いざ決定事項を実行する現場のメンバーがしらけてしまいなかなかアクションが進まないという事態になりかねません。

ボトムアップのメリット・デメリット

  • メリット① 現場の声が意思決定に反映されやすい
  • メリット② 現場のメンバーが主体的に意見しやすくなる

現場のメンバーがトップに対して組織の改善や新しい取り組みなど様々なことを提案します。そのため現場の声が組織の方向性に反映されやすくなります。現場のメンバーでなければ分からないことがたくさんありますので大きなメリットになります。トップが現場の声をすくい上げる姿勢を見せると現場のメンバーは主体的に行動し意見を出しやすくなります。

  • デメリット① 意思決定までのプロセスが複雑化しスピードが落ちる
  • デメリット② 現場のメンバーが優秀でないと意見が出なくなり物事が進まない
  • デメリット③ 全体最適の視点に欠ける意見が多くなる
  • デメリット④ 意思決定が無難な内容になってしまう

ボトムアップのスタイルであっても最終的に意思決定をするのはトップです。そのため提案内容に関わる組織の様々な関係者に根回しが必要になりとても時間がかかります。現場の意見を出させるということは現場のメンバーがトップに意見できるようなメンバーでなければなりません。つまり現場のメンバーが優秀でなければ現場の声を拾うことも正しい意思決定を行うこともできず組織が停滞してしまいます。そして優秀なメンバーでなければ全体的な視点を持つこともできずトップに上がってくる意見が部分最適なものになってしまうでしょう。ボトムアップで現場からトップに意見を上げるためには多くの根回しが必要なので、最初は尖っていた意見も多くの人を経由するうちにだんだん丸くなってしまい無難な意見になってしまうこともあります。

ボトムアップって日本では多いみたいだけど・・・

みなさんの会社はトップダウン型でしょうか、それともボトムアップ型でしょうか。わたしが勤めている会社は紛れもなくボトムアップ型です。経営者が自分でボトムアップ型だからどんどん現場から意見を上げて欲しいと公言しているほどです。

日本では特に大手企業や歴史の古い企業にボトムアップ型が多いように想います。会社の事業が成長期を過ぎ安定してくるとトップダウンで次々に新しく意思決定していくということがなくなっていくのでしょう。

そんなボトムアップ型の会社で良くあるのが、上層部に意見を言っても関係部署をたらい回しになり話がまったく進まなかったり、何だかんだと上から意見されて玉砕するなんていうことも。ボトムアップって結局何なんですかね?

じゃあトップダウンがいいの?

ボトムアップでは会社を変えることはなかなか難しい。意見や提案は現場から出てきますが決定するのはトップです。現場には様々な業務や立場があるので全体的な整合性を取ろうとするとどうしても無難な提案に落ち着いてしまい、長い時間をかけて社内調整した割にはたいした提案内容ではないものになってしまうことも多いのです。

では組織を運営するにはトップダウンの方がよいのでしょうか。トップは現在の売上だけでなく将来も見据えて意思決定をします。現場では自分が担当する範囲のことしか見えませんがトップは会社全体を見るので全体最適な決定ができるのです。そういったトップダウンのメリットからすると、会社を大きく変革するときにはトップダウンの方が適しているように思えますね。

でもトップには現場の細かいことは分かりません。もしかすると将来のビジネスの種が現場に眠っているかもしれません。反対にトップにはまだ見えていない大きな問題が現場に起きているかもしれません。これらを見ないままトップが独断で意思決定してしまってよいのでしょうか。トップの判断が間違っていた場合には会社がとんでもない方向を向いてしまうことでしょう。

結局どうすりゃいいのよ!

これまで見てきたように、トップダウンにもボトムアップにもそれぞれメリット・デメリットがあります。では私たちはいったいどうしたらよいのでしょうか。

トップダウン・ボトムアップどちらも、どちらか一方だけではうまくいかないものです。現場の意見はとても貴重です。ビジネスの種や問題・課題についての情報を持っているのは現場です。これらの意見を吸い上げない手はありません。ただし、ただ単に現場に主体性を求めて現場から意見が上がってくるのを待っているだけではトップとしては三流です。現場からの意見が出るように仕向けて上がってきた意見をトップが決める、そんな組織が理想的です。

まずトップは方向性やビジョンを示す。この場合のトップとは会社のトップである社長だけでなく部門やチームのリーダー・マネジャーも含みます。トップが組織をどうしたいのか、組織がどうあるべきか、どんな存在であるべきかを明確に示します。組織のあるべき方向が分かるとそれぞれのメンバーが目的意識を共有でき同じ目標を目指せるのです。

メンバーが同じ目標を目指すようになれば、メンバーが自律的に行動するようになります。判断基準が明確になるので意見や提案がまとまりやすくなります。メンバー達がまとめてきた提案をトップがどうするか決めるのです。最終的に決めるのは組織のトップの仕事です。